【クトゥルフ神話TRPG】【#1】「パンドラの箱庭」視聴者コメントセッション

パンドラの箱庭 本編

本編動画

※以下、本シナリオのネタバレを含みます。

導入フェーズ解説

ガタンゴトン(電車が走る音)

探索者であるあなたは、都内の一般的な企業に勤める会社員です。今日も長い労働を終えて帰路に就きました。電車が刻む一定のリズムが眠気を誘い、一日の疲れがどっと押し寄せてきます。

コツコツ(歩く音)

最寄り駅に着いてからは、誰ともすれ違わない人気のない路地を1人黙々と歩く。住宅の電気は徐々に消え始め、気づけば街灯だけが自分を照らしています。

ガチャ…(部屋のドアを開く音)

「あぁ…疲れた」

深いため息をつきながら自宅のソファーに倒れこむ。

「1日8時間勤務で残業ナシ!…なんて世の中は嘘ばっかりだ」

靴下を脱ぎ、ネクタイを緩めながらおぼろげに時計に目を向ける。 まだ夕飯も食べていないのに、時計の針は既に23時を指していました。

「食欲も無いし風呂入って寝るか…」

口ではそう言うものの、体は疲れ切っていて一向に動こうとせず、その間もだらだらとTwitterのタイムラインを追ってしまう。 そんなつまらない日常を抵抗もなく続けてしまう自分に嫌気がさす。

「何か面白いこと、起きないかな…」

ふと口から漏れた心の声、その言葉がきっかけになったかどうかは定かではないが、突然知らないTwitterアカウントからダイレクトメールが届きます。

「こんな時間にダイレクトメール?誰だこれ?」

ダイレクトメールを開くとこのような内容が書かれていた。

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パンドラの箱庭
http://xxxxxxxx1113.com

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→記載されているURLにアクセスしますか?

・アクセスする場合

記載されていたURLにアクセスすると、ギリシャ神話に関する情報がまとめられているサイトが開かれました。読み進めていくとある部分に目が留まった。

▼パンドラの箱

ゼウスが全ての悪と災いを封じこめて、人間界に行くパンドラに持たせた箱。パンドラが好奇心から箱を開けてしまったため、人類は不幸にみまわれるようになり、希望だけが箱の底に残ったという。

「へぇ、パンドラの箱には災いが詰まっているイメージがあったけど、災いだけではなくて希望も存在したんだな。」

その内容を認識したと同時に、何故か誰かに見られているような感覚を覚えました。普段よりも鮮明な感覚に、怖くなったあなたはたまらずスマホの画面をOFFにします。(SAN値-1)

他にすることがなければ風呂に入って眠りにつく。なお、この時点で所持品を宣言することが可能。

・アクセスしない場合

怪しく思ったあなたは、URLにアクセスせずそのままダイレクトメールを削除します。しかし「パンドラの箱庭」という言葉が頭から離れず、インターネットで検索をしてみると次の情報に目が留まる。

▼パンドラの箱

ゼウスが全ての悪と災いを封じこめて、人間界に行くパンドラに持たせた箱。パンドラが好奇心から箱を開けてしまったため、人類は不幸にみまわれるようになり、希望だけが箱の底に残ったという。

「へぇ、パンドラの箱には災いが詰まっているイメージがあったけど、災いだけではなくて希望も存在したんだな。」

特に有力な情報は得られず、他にすることがなければ風呂に入って眠りにつく。なお、この時点で所持品を宣言することが可能。

探索フェーズ

あなたは目を覚ますと、見覚えのない天井が視界に飛び込んできました。同時に、固い床に転がされていたせいか、背中全体がじんわりと痛みます。

「痛てて・・・どこだここは?」

辺りを見回すと、そこは明るく真っ白な空間ですが、電灯も無ければ朝日も差し込んでおらず、明るさが逆に不自然さを強調する異様な場所でした。ではここから探索開始となります。

①最初の部屋

・部屋全体を調べた場合

目の前には机が1つと、その上に3つの白い箱、更に古びた紙が1枚あります。更に、前方に3つの扉、後方に1つの扉があることが分かる。
→マップを出す

・箱や机を調べた場合

箱は白い立方体で、人の顔よりも二回りくらい大きいサイズです。両手で上に持ち上げて開けるタイプのようです。机は頑丈に固定されているようだ。

・古びた紙を調べた場合

次のような内容が書かれている。
→無謀は混沌か死か。勇気が希望へ導く。
→[裏面の隠し情報]この部屋に箱が4つ。この部屋に扉が4つ。

・後方の扉に目星した場合

見るからに頑丈そうな扉には鍵がかかっており、鍵穴が1つある。
(→開錠するとハッピーエンドへ)

・左の箱を調べた場合

かすかに鉄臭いにおいがする。ゆするとジャラジャラと小さいものがいくつもぶつかる音がする。

・左の箱を開けた場合

無数の金属片が机の上に散らばった。大きさは揃っているが形はバラバラ。歯車のような形をしている。
→「特定の歯車」を意図的に探した場合はここで入手可能。

・中央の箱を調べた場合

かすかにキュルキュルとモーターがまわるような機械音がする。

・中央の箱を開けた場合

箱の中から針のようなものが発射されて腹部に刺さる。1D3のダメージを受ける。
→2回目から回避ロール可能。初回は箱から手を放してしまうためすぐ閉じてしまう。(突き刺さる音)
→後方から開けるなどすれば回避可能

中央の部屋で発射装置を停止させると、針は発射されずに中から小さな箱を入手できる。
→中からはカラカラと何かが入っている音がする。開けると「古びた鍵」が入手できる。

・右の箱を調べた場合

かすかにドブのような悪臭がする。グチャリと中で何かが蠢くような音がする。

・右の箱を開けた場合

黒いゲル状のものが蠢いていた。生物かどうかは定かではないが、その場で不規則に伸縮を繰り返している。ドブのような匂いに顔をしかめながら観察していると、ギョロリと1つの目玉があなたのことを凝視します。あなたは底知れない恐怖を感じおののきます。1/1D3のSAN値チェック。
→ダメージを与えた場合、右の部屋からおぞましいうめき声がする。1/1D3のSAN値チェック。

②左の部屋

・扉を開けると分かる情報

中は明るく、工場の倉庫のような空間が広がっていた。そして、辺りには無数の金属片のようなものが散らばっている。

・入室時に分かる情報

部屋の奥に机があり、その上には金庫とプラスチック製の棒が置いてあることが分かる。

・金属片に目星した場合

大きさは揃っているが形はバラバラ。歯車のような形をしている。
→目星に成功すると武器(バール)が手に入る。

・金庫を調べる場合

鍵がかかっており、次のような形をした何かをはめ込む穴がある。
→「開錠ピース」をはめ込むことで「鉄製の鍵」が入手できる。

・プラスチック製の棒を調べる場合

中に水色の液体が入っていることが分かる。
→これが「ケミカルライト」であることが分かれば明かりとして使用可能。※「サイリウム」は製品名のためNG。

③中央の部屋

・扉を開けると分かる情報

扉を開けると、中は暗く、洞窟のように音が反響して返ってくる。入り口から差し込む光でうっすらと先が見えますが、ここからでは奥がどうなっているかは確認できません。

・入室時に分かる情報

部屋の奥から針のようなものが飛んできて足元に突き刺さります。あなたは驚いて後ずさりますが、その後の様子を見ていると、針は一定間隔で同じ場所に飛んできているようです。

・ケミカルライトを使用した場合

部屋全体が明かりに照らされ、奥に針の発射台のようなものが見える。
→針は正面に立つと発射され、1D3のダメージを受ける。(→死亡または気絶した場合はノーマルエンドへ)

・発射台に目星した場合

→鍵穴を見つけるが、解除には「鉄製の鍵」が必要。失敗すると1ダメージを受ける。

④右の部屋

・扉を開けると分かる情報

扉を開けると、悪寒と悪臭が感覚を逆なでしてくる。ドブのような匂いに顔をしかめながら観察していると、ギョロリと1つの目玉があなたのことを凝視します。あなたは底知れない恐怖を感じおののきます。1/1D3のSAN値チェック。

・入室時に分かる情報

全ての目玉が一斉にあなたの存在を捉え、グチャリと音を立てて蠢き始める。1D5/1D10のSAN値チェック。身の危険を感じたあなたは、とっさに部屋を脱出し扉を閉じます。ふと足元を見ると紙が落ちていることに気が付きます。(入手時点での最大限のヒントを1つ与える)

・ダメージが発生する攻撃をした場合

1つ目玉に攻撃がヒットすると、あなたが逃げるよりも速く触手が伸び全身を拘束されます。

「テケリ・リ」「テケリ・リ」「テケリ・リ」

一体どこから発せられる音なのか、いくつもの声がまるで頭の中でこだましているような感覚に支配されます。あなたの必死な抵抗も空しく、徐々に体が触手に取り込まれ意識を失っていく。
(→バッドエンドへ)

終了フェーズ

①ハッピーエンド(生存)

扉を大きく開くと、扉の向こう側からこれまでとは違う強く眩しい、希望に満ちた光が差し込みます。あなたは直感的にこの暗闇から脱出できたと理解するでしょう。反射的に強く目を瞑ると同時に、視力だけはなく五感の全てが奪われる感覚を覚えますが、そんな感覚のない世界で1つの声だけが響き渡りました。

パンドラ「私が箱の中に置いてきた希望…取ってきてくれたのね。とても勇敢なあなたに、少しだけお裾分けしてあげる。」

それからどのくらい時間が経っただろうか。次第に五感が戻り、あなたは見慣れた自宅の天井を見上げていた。既に日は昇っており、ふと時計を見ると時計の針は9時を指している。

「ん、朝か。久しぶりによく眠れたな。」

何か怖い体験をしたような気がするが思い出せない。きっと夢でも見ていたのだろう。そんなことも気にならないくらい、今日は不思議と気持ちが軽やかだ。

「今日は土曜日か…たまには遊びに出掛けるか。」

寝て過ごすだけだった退屈な休日とは少し違う。新しい未来に心が躍る。希望は日常によって埋もれていただけなのかもしれない。
→パンドラの箱庭 ハッピーエンド

②ノーマルエンド(死亡)

電流のように全身を駆け巡る痛みに耐えきれず、あなたは床に倒れこみます。視界がちらつき、死の恐怖を認識する余裕もなく体の熱だけが急激に流れ出ていく。次第に五感の全てが奪われる感覚を覚えますが、そんな感覚のない世界で1つの声だけが響き渡りました。

パンドラ「あら、もうおしまいなの?せっかくのチャンスだったのに、何もできなくて残念ね。」

それからどのくらい時間が経っただろうか。次第に五感が戻り、あなたは見慣れた自宅の天井を見上げていた。既に日は昇っており、ふと時計を見ると時計の針は9時を指している。

「ん、朝か。はぁ・・・。」

何か怖い体験をしたような気がするが思い出せない。きっと夢でも見ていたのだろう。仕事の疲れが思考を鈍らせる。いまはそんなことどうでもいい。

「今日は土曜日か…まだ眠いし、もう少し寝るか。」

寝て過ごすだけの退屈な休日。来週、再来週もきっと同じ日々を繰り返すだろう。希望は日常によって埋もれてしまっている。
パンドラの箱庭 ノーマルエンド

③バッドエンド(神話生物)

それからどのくらい時間が経っただろうか。突然、光が差し込む感覚を覚えたあなたは目を開きます。そこには、逆光で顔は確認できないが、扉を開き暗い部屋に入ってきた1人の人間が立っていました。自分以外の人間に初めて遭遇したあなたは驚きを隠せず、声を荒げて呼びかけます。

「テケリ・リ」

発声した感覚はあったが、自分が意図したものとは異なる言語の声が聞こえた。果たして今の声は自分のものか。それとも誰か別の人の声か。いずれにしろこれだけは確信的に理解できる。人間の声ではない。

「テケリ・リ」「テケリ・リ」「テケリ・リ」

狭い部屋でまるで威嚇するようにけたたましく響き渡る異形の者の鳴き声。それが助けを求める人間の泣き声であると直感的に理解できてしまった。だからあなたも必死に助けを求めて声を張り上げる。
→パンドラの箱庭 バッドエンド

最後に

最後までご覧いただきありがとうございました。キーパリングについては粗末なものであったかと思いますが、これから腕を上げていけるよう頑張ります。

視聴者コメントセッションという、新しい形でのTRPGが成立するのか試験的に確認したかったため、今回のような簡易的なクローズドシナリオをご用意しました。

北抜らいち

次回は、NPCの登場や戦闘が発生するようなシナリオを探してみますのでお楽しみに!

なお、本シナリオ「パンドラの箱庭」は、北抜らいちが制作したオリジナルシナリオです。プライバシーポリシーにも記載しているとおり、無断転載、シナリオ改変、自作発言等は一切禁止します。

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北抜らいち

2022年7月18日に活動を開始した個人Vtuber。何かと企画することが好きで、人手を募るためにYouTubeチャンネルを開設。いずれは3D化してメタバースの世界に進出したい。
麻雀が趣味で「雀魂-じゃんたま-」の段位は四麻が雀聖2、三麻が雀聖1に到達し、2023年には公式大会の双聖戦の本戦に出場。

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